焼継師

伊万里の本を読んでいて、面白いことが書かれていました。
伊万里や古い焼物が好きな方なら、ご存知の方も多いのかも知れません。

欠けや割れたうつわを継ぐ
焼継師といわれる商売が江戸時代後期にあり
とても流行っていたようです。

金継ぎはとても有名で、今もある技法です。
金継ぎをされた後うつわはとても美しく
なんの違和感もなく、金色の細い線がうつわに馴染んでいて
まるで作られた時からあったような錯覚すら抱きます。
その金継ぎをされた方の雰囲気や性格まで
映し出してくれるのが、金継ぎの良さでしょうか…
しかし、金継ぎには難点があります。
とても高価で、簡単にお願いできるようなものでは
なかったようです。
その点、焼継師は当時は白玉粉と呼ばれていた
鉛ガラスの粉末を使って、それを割れた接ぎ目につけて
低温度で焼いて接合していました。
天秤棒を担いだ焼継師が街中を回って
小さなコンロのようなものを持って
直して歩いていたようです。
焼継ぎが流行った大きな理由は
仕上がりが透明で綺麗だったことと
何より安価だったことが
大きな理由のように思います。
当時の記録には
磁器の売れ行きが悪くなり
瀬戸物屋が困ったと書かれているそうです。

当時はまだ焼物が高価で
割れたからといって簡単に買いかえられる
代物ではなかったようです。
そんな時代のうつわをご紹介できることに
少しうれしさを感じました。


凪〜nagi〜

何気ない日常にそっと色を添えてくれる… そんな和の器や古道具を販売しています。 何気ない日常に たまに鼻歌を口ずさみたくなるような… たまにスキップしたくなるような… そんな日々のお手伝いが出来たら幸せです。

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